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米国が、通称「壮絶な怒り(エピック・フューリー)作戦」を開始してからおよそ70日が経過し、米国とイラン間の和平協議に関して、ある程度の進展が見られ始めているようです。トランプ米大統領が不人気な紛争を終わらせたいという切迫感を強めているようであり、米政権は、毅然たる対決姿勢を示すイランに対する軍事力の限界を認識し始めているようです。
米政権としては違う説明をしたいのでしょうが、実際には、イランの要求に対して一定の譲歩を示し始めているようです。究極的には、数ヶ月前の戦争勃発前に交渉の俎上に上がっていた、イラン核合意(JCPOA)型の協議に向かっていくことが合理的であるように見受けられます。
この間、イランが被った物理的な損害にも拘わらず、イスラム革命防衛隊(IRGC)がホルムズ海峡の航行をコントロールすることが出来たという事実は、地域内におけるイランの力が強まると見られ、湾岸協力会議(GCC)における小規模国家が、今後イランの要求に従わざるを得なくなる可能性があります。
これはイスラエルにとっては飲み込みにくいことかもしれません。しかし、アラブ首長国連邦(UAE)がこの数ヶ月間で米国への忠誠に対して高い代価を支払ったと見られる中、ドバイやアブダビにとってはもっと苦い薬となるでしょう。
そんな中、イランでより強硬かつ独裁的な政権が成立すれば、国内の反対勢力に対してより一層残虐で抑圧的な選択をする可能性があると想像することも出来るでしょう。イラン経済は危機的状況にありますが、回復するにつれて、猜疑心の強い神政国家が、将来の安全保障と生き残りのために国富をさらに振り向ける可能性があると考えることも妥当だと思います。
早晩、このことは地域紛争再発のきっかけとなる可能性があり、実際、核抑止力追求への主張をもたらす要因の一つとなるかも知れません。北朝鮮からの教訓として、ひとたび核兵器を手に入れてしまえば、他国が手を出せない可能性が高くなるということが言えるためです。したがって、イランが核保有の野心を放棄する可能性は低いと考えられ、合意に向かいつつある和平協議が、たとえ短期的ではなくとも、将来のある時点で崩壊する可能性は十分にあるとみています。
しかし今のところは、船舶の通航が再開でき、貿易の混乱が収まり始めれば、安堵が広がると見られます。しかし、このことが今後長きに亘って持続的に感じられるであろう経済的ショックを解消する訳ではない、ということに注意する必要があるでしょう。
これまでにもお伝えしたように、ホルムズ海峡が比較的近いうちに再開されるという前提の下でも、原油価格は今年末まで高止まりし、原油先物価格は85米ドル近辺に留まると予想しています。食料品やエネルギー、さらに運送コストや投入コストが上昇している他の多くの商品の価格上昇に伴い、インフレは米国で4%、ユーロ圏で3%に達する可能性が高いとみています。
このような状況を踏まえ、欧州中央銀行(ECB)が利上げを実施する可能性は依然として高いほか、イングランド銀行(英中央銀行、BoE)も、弱い経済見通しにも拘わらず、インフレのパススルー効果が根深いことを踏まえて、利上げを実施する必要があるでしょう。
大西洋を隔てた米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)が2026年中は政策を据え置くと見ているものの、2027年に掛けてインフレが低下し始めれば、米政策金利の次の動きは利上げではなく、利下げになるとの見方に対する確信が増すでしょう。したがって、米5年国債利回りが4%を超えて上昇し続ける可能性は低いとみており、同水準のポジション量で、中期のインフレ連動金利を通じたブレークイーブン・インフレの取引を、アウトライトでの物価連動金利(実質金利)のロング・ポジションに転換しています。
その他、欧州においても、短期から中期ゾーンにおけるインフレ連動金利への選好を、アウトライトでの実質金利のポジションで反映しています。経済成長が鈍化する中、一部の中央銀行は高い消費者物価指数(CPI)を見過ごす傾向を強める可能性があり、同ポジションを維持することとしています。
日本では先週ゴールデンウィーク休暇がありましたが、市場参加者が戻るタイミングでは資産配分において、より大きなシェアが国内資産に向けられる兆候を注視しています。これは日本国債利回りにも追い風となり得る要因であるためです。一方、この1週間で財務省は何度も介入したと見られることから、底堅さを増した円は、日銀による6月の会合での利上げのプレッシャーを軽減する可能性があるでしょう。
当社では、依然として日銀が来月政策金利を1.00%に引き上げることが適切であると考えています。これが実現すれば、イールドカーブの長期ゾーンにおけるフラット化の継続を予想しています。すでに一部の生命保険会社が、今後数ヶ月間で日本の超長期国債を購入する意図を示す報道は増えて来ています。
為替に関しては、円の小幅なロング・ポジションを維持しています。円安を食い止めようとする強い意志を踏まえ、円が米ドルに対して158円より下落した水準ではポジションの追加を検討しますが、日米金利差の縮小において大きな進展がない限り、円が150円を突破して上昇することは難しいとみています。
英国では、先週の地方選挙が英国政治に関して重要な分岐点となった可能性があります。英労働党の悲惨な結果を受けて、専門家はもはや、労働党党首であるスターマー首相が退任に追い込まれるのかどうか、ではなく、いつ退任するのかについての議論を始めています。
賭けサイトでは、アンディ・バーナム氏とアンジェラ・レイナー氏が競り合っていますが、バーナム・現マンチェスター市長が勢いを増している一方、レイナー氏はその支持率が立候補への課題となっています。
しかし、バーナム氏は補欠選挙でウェストミンスター(英議会)の議席を得なければ立候補出来ないため、対抗する候補者達が彼のチェンスを絶ちたければ、スターマー氏に対抗する機会は今しかないことになります。
バーナム氏の形勢は、かなり不満を抱えた労働党票が、実質的な左派の競合政党である緑の党に流出しているということに支えられているようです。この状況において、労働党支持者は、労働党が勝利し、英国改革党(リフォームUK)や右派ポピュリズムの台頭を止める方法は、より左派的な方向へと進むことであると主張するでしょう。
しかし、バーナム氏が勝利した場合、税率が既に歴史的高水準にある中において、さらに支出の増加を計画することに対する警戒感から、英国金融市場においてボラティリティがさらに高まる要因となる可能性があります。その意味で、仮に労働党党首を巡る混乱が今後数日で発生しなかったとしても、英国の政治的リスクが和らぐ可能性は低いように思われます。
この観点から、英ポンドのショート・ポジションを維持することには依然的にメリットがあると考えており、英国経済も他の地域をアンダーパフォームするとみています。
マクロおよび政治的な動きとは離れたところで見ると、リスク資産は過去1週間も上昇を続け、とりわけ米国とアジアの株式指数は最高値を更新しています。力強い企業業績のモメンタムや、尽きることのなさそうな人工知能(AI)のモメンタムによって、個人投資家は好んでこのラリーに飛び乗っており、バリュエーションや高いP/Eレシオに懸念を抱いてきた人々は後悔の念を抱いています。
FOMO(取り残される恐怖)のセンチメントは間違いなく多くの人を飛び乗るよう駆り立てており、強気な動きがより決定的となれば、投資家ポジションやレバレッジがさらに数段階引き上がることで、短期的に価格動向は加速する可能性があるでしょう。
しかし、クレジット債市場において、そのようなポジティブなセンチメントが続くことは難しいでしょう。株式と同様に、社債のバリュエーションも過去と比較して割高となっているように見えますが、株式とは異なり、勝ち組の株式を選択することで得られる可能性がある大幅な利益という、リターンの正規分布の右端にあるテールという魅力が社債には存在しません。
さらに、世界的な経済ショックやサプライチェーンの混乱がスタグフレーション的な要因として今後数ヶ月間に亘って顕在化すると見られる中で、クレジットの悪化やデフォルト・リスクの上昇も予想され、とりわけ欧州やアジアの一部地域ではリセッション・リスクがより高くなるとみています。
したがって、ここ数日間で、他の市場と同様に中東関連の期待感からスプレッドは縮小しているものの、欧州社債に対する慎重な姿勢を維持することが賢明であると考えています。
この先を見据えると、ほぼ全ての良いニュースが現時点で価格に織り込まれていることに懸念を抱いており、この点に関しては比較的慎重さを維持しています。とは言いながらも、全ての市場において価格を動かすものは買い手と売り手との一致点であり、この観点で言えば、恐怖と欲望の間で揺れ続ける振り子が、より前向きな方向へと動き続ける場合、価格は継続的に上昇するであろうことも認識しています。
したがって、慎重な見方を示すにあたって、追認バイアスにはまって、より弱気な見方に飲み込まれないことも同様に重要です。これを踏まえた上で、国債及び社債の基調的な利回り及びスプレッドは、引き続き経済指標や政策動向、信用力の変化、デフォルト水準の変化によって決定づけられると考えています。この場合、地政学的なニュースからのノイズが落ち着き始めれば、投資家の注目はより経済指標へと集まるでしょう。
中東に関して言えば、イラン経済は悲惨な状況にあるものの、同国が示す耐性はそれ自体が戦略的資産そのものであることを、驚きとともに受け止めています。米国とイスラエルが、イランにあらゆるものを投げつけたにも拘わらず、体制は無傷のままで、おそらく以前にも増して一層確固たるものとなっています。
さらに、イランは、グローバルおよび地域経済に大混乱をもたらす能力とともに、中東の大国であることを実証しました。これを踏まえれば、ホルムズ海峡を再開するための暫定協議をまとめるには、まだ時間が掛かる可能性があり、イラン側は米国の譲歩を察知し、可能な限りレバレッジを最大化したいと考えることでしょう。
その意味で、中東地域の問題が今や消え去ったように見えるかも知れないとしても、トランプ氏がツイート出来る速度と、地上で物事を実際に動かす速度には差があることを認識すべきでしょう。この点に関して、将来のイラン核計画に関する交渉に進む前であっても、イラン側が賠償金の支払いや制裁の解除、ホルムズ海峡通過における支配の継続、その他希望するリスト上のアイテムを要求したとしても不思議ではないでしょう。
米政権は文字通り彼らの勝利を「トランプtrump」(打ち負かして)しまうことを望んでいるでしょうが、日増しに明るみに出る現実は、この紛争は米国が世界中の友人を失い、膨大な費用が掛かっていながら、ほとんど何も達成していないということです。その意味で、最終的なディールが、攻撃開始前に既に俎上に上っていたものよりも良いものとなる可能性は低いでしょう。一方、この世界は、以前よりも不安定で、より危険になってしまったように思えます。
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