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ホルムズ海峡の膠着状態が継続し、インフレ懸念の高まりが過去1週間にわたって債券利回りに上昇圧力をもたらしました。原油価格の指標となるブレント原油先物は1バレルあたり115米ドルまで上昇しました。
一方、サプライチェーンの混乱が数ヶ月間にわたって物理的に悪影響を与え続けるという認識が広がりつつある中、ホルムズ海峡の通航再開が間もなくであるという市場の想定の下でも、6ヶ月先のブレント先物は紛争勃発以来の最高値を更新し、1バレルあたり90米ドルを上回りました。世界的に中央銀行はインフレの上振れリスクに対して警戒姿勢を示していますが、G7中銀の政策会合では、現時点では政策金利が全て据え置かれています。
サプライチェーンの混乱が経済活動に影響を与え始めているため、インフレ見通しの上方修正と同じペースで成長見通しの下方修正が行われており、これは政策目標に関して緊張感を生み出しています。
金融政策における措置は比較的長いラグを伴って機能することが想定されているため、ハト派は、期待インフレが抑制され、二次的なインフレ効果の証拠も限定的である限り、短期的なインフレを見過ごすことが合理的であると主張することでしょう。しかし、2021年にパウエルFRB議長がインフレ上昇を単なる一過性のものと特徴付けた、広く知られた過ちを思い返せば、サプライチェーンの混乱が正常化すれば、物価は低下し始めるという期待があったとしても、消費者物価指数(CPI)の著しい上昇は看過出来ません。
とは言いながらも、米国の場合、ケビン・ウォーシュ氏がFRBの指揮を執ることで、利上げのためのハードルは高まる可能性があるでしょう。しかし同時に、早期に金融緩和についても議論する理由はないであろうとみており、米連邦公開市場委員会(FOMC)は当面の間、政策を据え置くと予想しています。一方で、パウエル氏が議長退任後も、トランプ政権によるFRBに対する調査が納得のいく形で完結するまでの間、理事としてFRBに留まるということは、ウォーシュ氏の立場をやや複雑なものとしかねないでしょう。FRB内で意見が統一されている時期であれば、前議長の存在がウォーシュ氏の権限を損なう可能性は低いものの、ウォーシュ氏はまさにFRB内での見解が非常に分断されている時期に就任することとなり、通常よりも同氏への移行を困難なものとする可能性があります。
一方、ユーロ圏では、物価の安定性に関する欧州中央銀行(ECB)のシングル・マンデートを背景に、6月と9月にECBが利上げを実施すると予想しています。しかし、成長見通しが冴えない中、そのような政策決定が、その後2027年に反転する可能性は否定出来ず、このことは、短期利回りのさらなる上昇を抑制する要因となるでしょう。
英国では、インフレがオーバーシュートし、今後数ヶ月間でCPIが4%を上回る可能性があるとみています。結果として、イングランド銀行(英中央銀行、BoE)は利上げを余儀なくされる可能性があるでしょう。しかし、ベイリー総裁はすでに英経済に相当なスラックがあると考えているため、BoEはもうしばらくの間、時間を稼ぐ余裕があるかも知れません。ただし、成長とインフレの両方の見通しが中東紛争の影響を受けて改定されている中、今のところはインフレ見通しが債券利回りに最も大きな影響を与えています。
米欧の両市場でイールドカーブはベア・フラット化していますが、このようなトレンドがどの程度継続するのかは明確ではありません。多くの点で、世界中の政策当局者とミーティングを行うと、グローバルに政府債務の比率が高い今の世の中において、成長とインフレのトレードオフに関する態度に微妙な変化があるとの印象を受けました。つまり、最終的により堅調な経済成長を伴うのであれば、やや高いインフレも支持する可能性があるということです。
これは、中央銀行のインフレ目標に関する疑問に現れており、その点で言えば、FRBがその焦点を個人消費支出(PCE)インフレから、刈り込み平均の計測へと切り替えた場合、米国の実際のCPIは今後3%近辺で正常とする可能性があります。日本の高市首相は名目GDPを最大化したいという願望を語っており、ユーロ圏でさえ、成長を支えていなければ、域内全体がより硬化した未来に直面する可能性があり、それは長期的な価格と金融の安定性にとって、もっと有害にさえなり得るとの認識が高まっているようです。
このような状況を踏まえれば、今後数ヶ月間、イールドカーブは米欧の両市場で再びスティープ化し始めると考えられます。しかし、それを想定したポジションを取る前に、現時点で債券市場でリスクを積み増す最良の方法は、インフレ連動債のポジションであると考えています。この背景には、さらにインフレがオーバーシュートすることが短期債の利回り上昇への主たる脅威と考えているからです。さらに、実質金利の絶対水準は、米国やユーロ圏、そして日本においても魅力的に映ります。
但し、英国でのリスクの積み増しについては、より慎重です。スターマー首相交代の動きにおいて政治的リスクが高まる可能性があり、これは長期債利回りのさらなるボラティリティの潜在的なきっかけとなるでしょう。とりわけ、バーナム氏が対抗馬として存在感を高めれば、尚更です。実際、この数週間でバーナム氏はアンジェラ・レイナー氏からの支持を取り付けようと動きを加速させる可能性があり、スターマー氏にとっての英国首相としての時間はそう長く残されていないとみています。
その他の市場に目を向けると、ホルムズ海峡が依然として事実上閉鎖されたままで、経済的懸念が増加する中でも、欧州社債のスプレッドが底堅く推移していることに驚いています。Itraxx Crossover指数のスプレッドは、3月末の362bpsの高水準と比較して足元では295bpsで取引されています。原油価格やドイツ国債利回りが3月末の水準に回帰していないにも拘わらず、です。悪いニュースを軽視する市場の確たる意思は印象的であり、その大部分は、米S&P500 種指数が堅調な業績や高値を追求する個人投資家の参加によって、最高値を更新し続けている回復力に関連していると考えています。しかし、クレジット債において重要なのはデフォルト・リスクの可能性であり、この先のリセッション・リスクは現時点ではいまだ真剣に受け止められていないようです。この点に関して言えば、そのような懸念が前回出現した2022年には、同指数のスプレッドが600bps超で取引され、これらの懸念がかなり後退した2023年後半まで、スプレッドが400bpsを割ることはなかったということは特筆すべきでしょう。これは、当社の見方ではある種の慢心を示しているとみており、欧州社債のスプレッドへのリスクは、現時点で非対称的に拡大傾向に傾いているとみています。
もちろん、米国とイランの交渉における突破口がこの先数日で見出される可能性は残っていますが、短期的には両者の間には大きな隔たりがあり、妥協に至るほど両者は追い込まれていないように思います。米国では、ガソリンの平均価格を注視していますが、紛争開始前には1ガロン約3.60米ドルであったものが、過去1ヶ月間では1ガロン約4.80米ドル近辺で安定しています。
しかし、長引く膠着状態によって1ガロン5米ドルを突破する日はそう遠くないと見られ、ガソリン価格が今月後半に6米ドルに向かった場合、これは米国をイランに譲歩させるための最も重要な要素となる可能性があるでしょう。イランでも、貯蔵余地が尽きるにつれて、軍隊を支援するための資金も枯渇し始め、痛みが蓄積され始めるでしょう。しかし、イランの権力中枢部はイスラム革命防衛隊(IRGC)の中の強硬派の支配下にあるようで、苦境への耐性は、米国や、せっかちなことで悪名高い米大統領よりも、イランにあると言えるかも知れません。
しかし、イラン政府が海峡の航行に課税する権利を与えられ、イランの監督下でホルムズ海峡を再開することに米国が同意するという考えは、米国や多くの湾岸諸国にとって極めて不快なものです。他の国は、平和が達成される可能性があるなら、原油1バレル当たり1米ドルの通行料を支払うという概念を喜んで受け入れるかもしれません。
しかし、このようにイランに権限を与えることで、イラン軍の資金が増加し、さらに抑圧的でイデオロギー的な政権が生まれる可能性があります。したがって、イスラエルやアラブ首長国連邦(UAE)及びその他の国が軍事攻撃の再開を望んでいるというのも理解出来ます。実際、UAEの石油輸出国機構(OPEC)との分裂も、そのような文脈で見ることが出来るでしょう。しかし、新たな軍事介入におけるリスクは重大であり、トランプ政権にとっては魅力的ではない可能性があります。したがって、膠着状態が当面の間継続するとの予想が、今のところは最も可能性の高い結果のように見受けられます。最終的にはどちらか一方が目をつむる可能性はありますが、現時点では明確ではありません。
その他の地域では、日本に焦点を当てると、日銀が、他の中央銀行と足並みを揃えて政策を据え置きました。6月の利上げの可能性は引き続き高いものの、高市氏がハト派スタンスを維持しているため、同氏が日銀に政策引き締めの延期を説得するかどうかは見極める必要があるでしょう。為替相場では、円が米ドルに対して160円を突破して下落し、当局の介入によって即座に156円まで動きました。ただし、これが日銀への利上げ圧力を和らげるものとみなされた場合、日本円は再び介入レベルまで下落する可能性があるでしょう。当社では、日本円に対して緩やかな強気バイアスを維持しています。究極的には、よりリスクを積み増したいと考えているものの、そのためには、日銀の政策が円の上昇基調維持に支援的になるとの確信を得たいと考えています。
この先を見据えると、当面の間は中東での対立がグローバルの金融市場の環境を形作るものになるでしょう。コモディティ市場では、在庫レベルが引き下がっていますが、需要と供給を持続可能な均衡に持ち込むためには、比較的早いタイミングで需要の崩壊が発生する必要があります。
この観点で言えば、グローバルの航空交通を追跡するインデックスは、現時点で2025年の水準からフライトが約5%減少したことを示しており、今後数週間では、さらに10%の削減が必要になるかもしれないと考えています。1ガロンあたり200米ドルに近いジェット燃料の価格は1月時点の2倍以上であり、ヨーロッパの空港から燃料が枯渇してしまうという潜在的な恐れは米国からの輸入によって緩和されているものの、価格はさらに上昇するリスクがあり、フライト数のさらなる削減のきっかけとなり得るでしょう。
航空運賃が高いことは今後数ヶ月間のCPI上昇の重大な要素となり、他の多くの商品においても値上げが想定されます。さらに、精製製品不足による米国内での価格高騰があれば、米国が精製製品の輸出を制限するリスクも引き続き注視しており、アメリカ・ファーストのアジェンダを推し進めるにあたって、現米政権がこれをためらわないことも十分に認識しています。
金融市場に目を向けると、全体的にリスク資産に対してネットで若干のショート・ポジションを取ることに投資機会があるとみており、スプレッド拡大によってショート・ポジションからリターンを得たいと考えています。また、インフレ連動債にも投資機会を見出しています。我々が現在目撃しているインフレ(および成長)ショックは、いまだ完全な形で金融市場に織り込まれていないと感じているためです。
ある意味で、現在の状況を一歩下がって見てみると、2020年初頭を思い起こします。当時、必然的に我々の方向に広がっていた厄介な武漢ウイルスを認識していました。しかし、1月と2月には、株式市場はまだ最高値を更新し、我々もそれに関係なくパーティーを楽しんでいました。その後、新型コロナ・ショックという現実が我々の日常生活に影響を与えたときに初めて、全てが一変し、金融市場もその後調整されました。とは言いながらも、現在のエネルギー供給ショックが新型コロナと同じような規模になると主張している訳ではありません。それでも、極めて重大であることに変わりはないでしょう。
エネルギー供給の観点から言えば、国際エネルギー機関(IEA)の事務局長などは、すでに人類の歴史上最大のエネルギー安全保障上の脅威に直面していると宣言しています。これは、新型コロナの究極的な姿についての真の脅威を最初に理解したのが医療従事者であったように、最も現場に近い人々が感じられる何かなのかも知れません。
決してパニックを起こそうと思って主張している訳ではありません。ただし、慢心に対するウォーニングを発するとともに、十分な備えが必要であるということを警告しています。今後数ヶ月間、リターンを創出するための投資機会はたくさんあるでしょう。そして、損失が発生しないよう、避けるべきショックもあるでしょう。
まだ、家を急いで出て、トイレットペーパーを大量購入し始めるような状況ではありませんが、ベータ・リスクを低位に維持する時期ではあるでしょう。英国には、「5月に売って、戻ってくるな」という相場格言があります。今年はその格言が真実となるかもしれません.....
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