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コメント要約
先週は、週初の株式相場の下落を背景に、米国債利回りの低下が続く格好で週がスタートしました。しかし、週が進むにつれてこの値動きは反転し、結果として米国債利回りはここ最近の低ボラティリティの取引レンジ内に留まっています。一方、米国債のイールドカーブは過去数週間で幾らかフラット化しており、イールドカーブのスティープ化を促す目新しい材料に欠ける中、投資家のコンセンサスのポジションに逆行しています。
以前指摘した通り、イールドカーブが大きくスティープ化するのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が現在市場が織り込んでいるよりも積極的に利下げを実施するシナリオ下においてのみ、発生する可能性が高いとみています。しかし、先週公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録においては、追加緩和に対する疑問が提起されており、FRBが2026年中に2回の利下げを行うとの市場予想は、経済成長の大幅な見直しによって、修正されるだろうと考えています。
一方、広範な金融市場の水準がさほど大きく変化していないタイミングに、市場の注目の大半が株式市場と社債セクターの両方、もしくはそのどちらかに注がれていました。人工知能(AI)の将来に関する議論が、あらゆる場で話題を独占しているタイミングで、両市場への注目が高まっています。
この議論は過去数週間、アンスロピックのCEOである、ダリオ・アモデイ氏が1月に発表した、エッセイ「The Adolescence of Technology(テクノロジーの思春期)」をきっかけに激化しています。「データセンター内の天才が集まった国」からの文明への脅威という表現は、今後1年から5年という視野において、AIのプラットフォームがホワイトカラー職から大規模に置き換わる可能性があるという、幅広い経済的混乱の可能性を浮き彫りにしています。
同エッセイの公表と、それに続くClaudeコードのバージョンアップのリリース以降、ソフトウェア関連セクターの相当な部分について存在論的な議論が巻き起こり、過去1ヶ月間でソフトウェア関連株は実に約2兆米ドルもの時価を失いました。
これに反応して、IONグループのソフトウェア創業者であるアンドレア・ピニャタロは、「The Wrong Apocalypse(誤った終末論)」と題し、アモデイ氏が導き出した(ソフトウェアプロバイダーの将来に関する)幾つかの結論の一部に対し、多くの対立意見を提示しました。
しかし、同氏自身も、AIプラットフォームが「言語ゲーム」に長けていることから、顧客のルーティン的なタスク処理をこなし、蓄積された知識とトレーニングによって、より複雑なタスクへと移行できる状態へと迅速に動く将来を語っています。
その場合、雇用喪失は専門的なサービス業全域で加速すると推測されます。これは経済全体にわたる需要に影響を与えると見られており、とりわけロンドンやニューヨーク、シンガポールなどの専門職サービス業に大きく依存している都市の将来さえも疑問視されるほどです。
このような状況を踏まえれば、まるで窓の外の寒い冬の天気を反映しているかのような、ここ最近の悲観的な評価は、今やAI悲観論が一部ではやや過剰になり始めている可能性を示唆しているように思えます。しかし、バリュエーションがやや割高になっていた中で、我々が極めて不確実かつ困難な投資環境に直面しているということも明確です。
また、今や我々は、AIの「採用」段階というよりは、AIの「構築」段階にあるということも強調すべきでしょう。このことは、今後数ヶ月間で、ハイパースケーラーが巨額の設備投資を行い、大量の資金が急速に経済に投入されるため、供給のボトルネックが価格圧力となった場合、短期的には成長及びインフレの幾らかの上昇リスクを示唆する可能性もあるでしょう。
最終的には、AI採用は大きなディスインフレ圧力になる可能性がありますが、当面の間は、その兆候を目にすることがないかも知れません。
このようなマクロ面での不確実性を考慮し、足元では米国債及び投資適格社債のスプレッドに対して中立的な見通しを維持しています。欧州では、短期的にはインフレが低下する可能性が高いとみているものの、軍事費の拡大が政府予算や国債発行に重くのし掛かる中、ドイツ国債もレンジ内の動きに留まるとみています。欧州中央銀行(ECB)は政策を据え置くとみており、ラガルド氏の後任としての次期ECB総裁の方が、より大きな議論と推察の対象となるでしょう。
一方、先週の英インフレ指標は、イングランド銀行(中央銀行、BoE)による3月の利下げへの道を開く一助となるかも知れません。与党労働党は今週のゴートン・アンド・デントンの補選で屈辱的な敗北を被る可能性が非常に高い中で、英国資産の見通しは引き続き政治的リスクによってやや暗い影が差しているものの、軟調な英労働市場と、穏やかなインフレ指標は英国債市場を支えています。
日本では、生命保険会社に対する会計上の改革の提案が、日本の長期国債の追い風となりました。同改革案によって最も大きく売却の圧力が和らぐであろうとの見方から、低クーポンで、オフ・ザ・ランとなっている超長期債が最も大きな恩恵を受けました。
一方で、米価格の低下は継続的に日本のインフレを押し下げる要因となっており、今週発表される東京CPIの市場コンセンサス予想が前年同月比で総合とコアそれぞれ1.4%、及び1.7%とされていることは特筆すべきでしょう。東京CPIの発表は日本全体のインフレ率の先行指標となるため、インフレが日銀の2%の目標を下回り、低下基調であるという結果が、今後の政策金利予想にどのような影響をもたらすのかは興味深いでしょう。
その意味で、次の日銀の利上げが早くて4月になり、その確率を68%としている市場予想はやや行き過ぎかも知れません。引き続き、今年2回の利上げを予想していますが、次なる動きは7月以降となるかも知れません。さらに、インフレ指標が日銀予測を下回った場合、2026年の2回の利上げという予想は後退するリスクの方が高いかも知れません。
米国とイランの間の緊張の高まりは、米国の軍事介入への警戒感が強まる中、幾つかの地域の資産や通貨の弱含みにつながりました。イランに対する米国の外交的圧力が望ましい成果をもたらさず、トランプ氏が忍耐を失った場合、複数の選択肢及びシナリオが想定されます。
またそのようなシナリオ下でも、次に何が起こるか、多くの予想があるため、そのような不確実な地政学を予測するのは非常に困難であり、またそれに対してポジションを取ることは言うまでもありません。
先週は米ドルが上昇し、リスク回避的な動きは米ドル高を支える可能性もありますが、下振れリスクの拡大があれば連鎖的なポジション解消につながる可能性もあることから、米ドルが持続的に大きく上昇する可能性は低いとみており、米ドルの短期的な上昇は売りの好機であると捉えています。
今後の見通し
この先も、当面はリスクを穏やかな水準に保つことが賢明であると判断しています。ハイレベルで見れば、市場は概ね横ばいの動きをしているように見受けられます。しかし、これは表面下の、より極端なボラティリティの一部を覆い隠しています。
こうした点から、株価が再び上昇モメンタムを構築するための、より堅い底値を確立するまでの間、今後数週間はリスク回避的な動きがやや伸張しても不思議ではないと考えています。
その場合、市場が弱含んだ局面を待ってリスクを積み増すことを選好し、社債では、目先数ヶ月間で多くの発行も控えていることを踏まえ、急いで債券を追い求める必要はないと考えています。
AIのトピックに戻ると、年初のベネズエラのマドゥロ氏逮捕のための米国の襲撃計画及びその準備に、Claudeが利用されたことを示唆するレポートも興味深く読みました。ロシアとウクライナが同意できる平和協定を作成するためにも、これを利用することが出来ないかと考えてしまいます。しかし悲しいことに、ドンバス地方の平和は、紛争が5年目に突入する中で、これまで以上に幻想的な状態となっています。
さらに、AIが今後数年間で不吉な、そして破壊的な方法で活用されてしまう可能性があることも懸念材料です。おそらく、全てのテクノロジーと同様、これが善の力とも悪の力としても活用出来るということを、この先私たちは学んで行くであろうということは確実だと思います。またここでも、アモデイ氏は「Black Seas of Infinity(無限の黒海)」という表現で、わずか10年間に圧縮された1世紀分の科学的および経済的変化から生じる、間接的な影響の幾つかを挙げています。決して、陽気な読書ではありません。
その点では、今日のAIについて一家言ある一部の人が、人類が目的を見失い、不信心で神なき未来への虚無的な軌跡に、我々が向かっているという絵を描いているように見えることは衝撃的かも知れません。しかし、そのような危機の預言は明らかに過剰です。
また、これらのアイデアはまた、多くの時間をスクリーンに向かって費やし、現実世界ではなく、ファンタジーや科学フィクションの領域に身を投じている、テクノロジーマニアの人たちの考えを多く反映し過ぎているとも言えるでしょう。
AIに一時停止のボタンを押すことが答えではありません。我々は変化を受け入れ、適応することを学ぶ必要があり、幸いなことに人間はこれを行うための能力に長けています。しかし、金融市場の文脈で、これら議論から言える明確な点としては、2025年はAIを取り巻くムードが成長や株式にとって全体的に強気であったということでしょう。足元では、物事がより微妙で、困難になってきています。
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