欧州のリストラクチャリングの増加

Jun 12, 2025

ポイント:

  • 世界全体のボラティリティ上昇が、欧州企業の課題を複雑化させています。
  • 戦略の見直しや事業再編が必要な企業が増加しています。
  • 特に、ビジネス・プロセス・アウトソーシング企業、自動車部品企業、エネルギー開発・海運企業における投資機会が増加しています。

 

市場は、トランプ大統領の矛盾した関税政策に不安を感じています。当初、米国は、予想以上に高く広範囲にわたる複雑な関税を導入し、投資家の懸念を引き起こし、株式の下落と債券の上昇を招きました。大混乱の後、大統領は方針を転換し、関税の大半を当面の間保留にしました。明らかに不確実性があふれています。

市場はボラティリティに動揺し、景況感は悪化しました。ミシガン大学消費者信頼感指数は、経済的影響に対する国民の不安の高まりを反映して大幅に低下しました(1)。欧州では、政策当局は関税への対応策として、防衛およびインフラ支出を増加させています。

短期的なボラティリティ上昇と共に、欧州経済は依然として厳しい状況にあります。今後数年間に行うべき過剰レバレッジの解消は、たとえ大きな景気後退がなくても、スペシャル・シチュエーション投資家に投資機会をもたらすでしょう。欧州は引き続き負債市場におけるストレスとディストレストの中心的存在となると考えられます。これは、資本市場へのアクセスが限定的で、製品ラインナップが乏しく、景気後退の影響を受けやすい欧州の中堅企業市場に特に当てはまると考えられます。

消費者センチメントや企業の成長性は低下し始めています。企業は、債務の借り換えのタイミングで、大幅な金利上昇の影響を受けることになります。先進国はまだ景気後退に陥っていませんが、欧州では、2025年にディストレスト・エクスチェンジ(財務が困難となった企業の債務交換)が増加しており、2025年第1四半期にはデフォルト事由の71%を占めるにいたっています。

さらに、欧州銀行監督局は2025年3月24日にデータを発表し、ドイツの銀行の不良債権が2023年末から2024年12月までに22%以上増加したことを示しました。

欧州の銀行は、企業向け融資の約70%をカバーしており、非金融企業への貸出市場規模は6.2兆ユーロとなっています(2)。この規模の市場があれば、それほど多くのディストレスト企業が無くても、私たちのようなディストレスト/スペシャル・シチュエーション投資家は豊富な投資機会を得ることができます。

1 出所: The Regents of the University of Michigan

2 出所: ブルームバーグ

 

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