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コメント要約
先週は金融市場にとって比較的静かな一週間となり、価格変動は概ねレンジ内の動きに留まりました。直近の米連邦準備制度理事会(FRB)会合の議事録では、参加者の多くが雇用市場におけるリスクよりも、インフレ動向に注目していることが示されました。
ただし、この会合は直近の雇用統計の下方修正が発表される前に行われたものであり、議事録における発言はそれほど重要視されていません。一方で、当コメント執筆後のイベントになりますが、ジャクソンホール(での経済シンポジウム)会合はより重要なものになると目され、パウエルFRB議長が市場の予測に沿って9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げに言及するかどうかに注目が集まりました。
ただし、今年の同シンポジウムのテーマである「移行期の労働市場: 人口動態、生産性、そしてマクロ経済政策」は幅広い内容を含んでおり、パウエル氏が市場参加者にあえて解釈の余地を残すような発言をする可能性もあります。最終的に、より重要となるのは、9月5日に発表される次回の米雇用統計の内容と、その数日後に発表される8月の消費者物価指数(CPI)でしょう。
全ての注目が9月に集まっていることから、ここしばらくは夏の市場環境が続き、トランプ米大統領がホワイトハウスに復帰して以来、過去6~7か月間非常に活発な市場が続いていたことから、多くの投資家は安心して一息ついているように見受けられます。
英国では、再び期待外れとなったCPIデータによって、他の主要国債に対して英国債はアンダーパフォーマンスとなりました。一方、英労働党政権は実施を検討している一連の増税案を漏らしています。
しかし、急増する社会保障費に取り組まない限り、政府の政策姿勢に対する金融市場の信頼は失われつつあるように思えます。英長期国債利回りは1998年以来の高水準に達していますが、こうした高水準であっても市場に積極的に参入する買い手はほとんどいないようです。
その他の欧州では、8月中旬の休暇シーズン真っ只中を迎えており、各市場が比較的静かであることは特段驚くべきことではありません。社債市場の動きも概ね抑制されており、株式指数の上昇も一時的に足踏みしています。
金融劣後債やその他の一部銘柄には依然として割安感があり、スプレッドの縮小余地があるとみています。ただしそれらを除けば、現在のバリュエーションはやや困難な水準であるとみており、季節的に新規発行が増える9月に向けて、市場がより高いスプレッドを求めるかどうかが注目されます。このような点を踏まえ、社債のベータ・リスクに対しては引き続き慎重な姿勢を維持しています。
為替市場も先週は価格動向を促すような目新しい材料に欠け、概ね横ばいの動きが続きました。当社では引き続き、幾らか米ドル安バイアスを持っており、その一方で構造的に割安と考えられる韓国ウォンやノルウェー・クローネを選好しています。先週発表されたノルウェーの成長関連の指標は、ここ最近の同国の経済的なアウトパフォーマンスを裏付ける内容で、これが今後、現在ユーロに対して過去最安値近辺にある同国通貨の動向に、より明確に反映されていくと考えています。
また先週は英ポンドのショート・ポジションを追加しました。これは、英国の政治的リスクが高まり、経済ファンダメンタルズが依然として厳しいことを鑑みれば、ここ最近の英ポンドの良好なパフォーマンスは正当化されないとの見方に基づくものです。仮に英国債利回りにより大きな変動が見られれば、2022年の「トラス・タントラム」の際に見られたように、同通貨への圧力が再び高まる可能性があるとみています。
引き続き米短期国債のロング・ポジションを維持する一方、米30年国債のショート・ポジションを保有しています。独長期債についてはショート・スタンスを維持し、スプレッド・ベースではフランスをアンダーウェイトしています。
また、日本では10年/30年カーブが依然として過度にスティープな状態にあるとみており、これらの年限間のフラットナーを維持しています。これらのイールドカーブに関するビューを除けば、金利デュレーション及びクレジット・デュレーションは比較的フラットな状態を維持しています。現在の市場環境では、イールドカーブや相対価値取引に、より多くの機会があるとみています。
今後の見通し
その他の話題として、アラスカで行われたトランプ氏とプーチン大統領の会談は、ウクライナ紛争に関する多くの議題を提供し、これを受けてゼレンスキー大統領や欧州各国の指導者たちがワシントンを訪問する展開となりました。交渉に一定の進展はあったかもしれませんが、ウクライナ政府にとって祝うべき成果はほとんどないように見受けられます。ロシアの侵略を受けて領土を譲ることは極めて難しく、ロシア側が全てを獲得した後にさらなる拡大を目指すリスクを回避するために、いかなる安全保証であっても、極めて強固である必要があります。
その上で、パワー・ポリティクス(権力政治)の現在を観察し、ここ数年でどれほど多くのことが変化したかを考えてみることは興味深いと考えています。一方で、細部に目を向けると、オーバル・オフィス(米大統領執務室)でトランプ氏の背後に誇らしげに置かれているチェルシーのクラブ・ワールドカップ・トロフィー、さらにその傍らにある(アーセナルに移籍した)ノニ・マドゥエケが受け取らなかったメダルの存在に気づくでしょう。新世界秩序(The New World Order)です。頑張れ、チェルシー。
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