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コメント要約
米国債利回りは過去1週間ほぼ変わらず、引き続き狭いレンジで推移しています。前週の連邦最高裁によるトランプ政権の国際緊急経済権限法(IEEPA)関税に対する判決は、概ね想定内の結果であったことから、市場に特段大きな影響はもたらしませんでした。さらに、米政権は失効した関税に代わる、新たな関税の実施に迅速に取り組んでいます。
この観点からすると、より広範な経済環境に実質的な影響を与えるような大きな変化はないかも知れません。しかし、実際の関税収入が幾らか計画を下回るリスクもあり、国レベルでも今回の変化による勝者と敗者が生まれる可能性があると考えています。
一方で、これは昨年の大統領就任以来最低水準となる40%まで低下しているトランプ米大統領の支持率には影響しておらず、中間選挙が迫る中、政権は形勢を反転させるための勝利を求めています。
この点で言えば、経済指標は概ね堅調です。しかし、経済活動が巨額の人工知能(AI)投資によって促進されているため、「ゴースト(幽霊)GDP」という表現が一般化しています。つまり、成長関連指標は良好に見えるものの、その「GDP」は国民の実感を伴っていない、ということです。さらに、このようなAI投資が将来の雇用や所得に対する真のリスクになり得るという点では、より広範な社会において、AIの利益は祝福されるのと同様に、懸念されるべきものであるかも知れないということです。
そんな中、外交政策における前向きな成果の可能性は限定的です。イランとの紛争は、原油価格を通じて米国消費者にさらなる負担をもたらす可能性があります。
一方、悲しいことに5年目に突入してしまったロシア・ウクライナ紛争では、若き兵士たちが第一次世界大戦のソンムを思わせる悲劇的な戦場で自らの命を捧げ続け、打開の兆候はほぼ見られていません。
また先週は、シトリニ・リサーチの発表が、AIによる破壊的な見通しへの市場の懸念を増幅させるきっかけとなりました。2026年は、データセンターの構築とこれらに対応するインフラ需要という観点で、我々は依然としてAIの「構築」段階にあり、AIテーマは引き続き成長をもたらす要因となっています。
しかし、「採用」段階に移行していく中で、その後のAIによる破壊で労働市場が急速に悪化し、消費が落ち込む可能性についての懸念が高まっています。市場シェアを失う企業は、テクノロジー投資を強化せざるを得なくなり、さらなる雇用喪失が生じるでしょう。
経済が10年程度の期間を掛けて段階的に労働者を調整・再配置出来るのであれば、その影響は限定的かも知れません。しかし、最近のAIツールの進歩の速度を考えると、その変化はより迅速に訪れるリスクが高まっているように思え、その過程で大きな破壊がもたらされる可能性があります。
過去の技術進歩のタイミングを振り返ることも興味深く、そのような進歩によって消費者は、より高品質の商品を、より多く購入することが可能となってきました。しかし、法律や保険、資産管理などの専門サービスでは、テクノロジーへの投資がこれらの分野における需要増加につながるかどうかは明確ではありません。もし影響があるとすれば、価格の低下圧力となる可能性が高いでしょう。
この結果、他の消費に向かう所得を増やす可能性はあるものの、専門サービス業界内においては、需要にそれ程変化が生じないかもしれません。こうした場合、現在のテクノロジー投資のほとんどがゼロサムゲームになる可能性があり、この投資のリターンを根拠付ける唯一の手段は、他の事業者のパイを奪うこととなります。
このような結果は、より大きなディスインフレ的な帰結をもたらす可能性があり、このテーマは過去1週間、比較的年限の長い米国債を支える要因となりました。また、この考えは、国レベルおよびセクーレベルでのAIの勝者と敗者探しを引き起こしています。
当社の見方として、国レベルでの相対的な敗者はインドである可能性があるとみています。多くの点から、AIによってまず最初に置き換えられる可能性があるのは、これまでアウトソースされてきた仕事であり、これはインド経済にとって実質的な下振れリスクを示す可能性があるでしょう。対照的に、韓国はAIによる恩恵を受ける国となる可能性が高く、その意味では、韓国ウォンをロングし、インド・ルピーをショートするといった通貨取引は、このような枝分かれを投資機会とする1つの方法と言えそうです。
セクター別に見ると、AIによる破壊に耐性を持っているのは欧州銀行セクターであるとみています。マルチプルは大きくなく、イールドカーブがスティープであること、さらに規制面での保護がその背景にあります。一方で、ソフトウェア市場の大部分については引き続き警戒感を抱いており、プライベート市場の痛みが蓄積し続ける中、BDC(事業開発会社)に対する問題が今後さらに発生する可能性があるとみています。
英国では、労働党がゴートンの補欠選挙で屈辱的な敗北を喫しました。この結果は概ね予想されてはいたものの、その敗北の度合いはスターマー首相にさらなる圧力を加えています。とは言いながらも、インフレ指標の改善に支えられ、英国債はここ最近良好なパフォーマンスを維持しており、英政府の財政の見通しにも利益をもたらす可能性があります。
英国の債務の中で物価連動型債務は大きな比率となっており、英国の借入コストはインフレの動きに特に神経質です。さらに、1月には堅調な申告税の納付が記録されたことから、英国の財政見通しが改善に向かい、財政赤字緩和にも役立っています。ある意味でこれらの税収は、この先も労働党政権下で税率が上昇し続ける可能性を予期した、資産売却に伴うキャピタルゲイン税に起因する部分が大きく、一時的なものかも知れません。
しかし、最近の英国ではいかなる朗報であっても歓迎されるべきもので、英国債利回りが他の欧州市場の水準をはるかに上回ったままであることを踏まえれば、依然としてバリュエーションは魅力的であるように思えます。
日本では、最新の東京CPIが前年同月比1.6%と発表され、今後数ヶ月間はインフレ率が日銀の2%目標を下回る可能性があります。日本ではディスインフレーションの追い風が継続しているとみています。米価に関連したベース効果の反転がその要因になるとみており、豊作による米価の正常化や、過去の円安による影響の低下によるものです。しかし、今年の春闘では賃金が堅調さを維持すると予想しており、日銀は政策金利を漸進的に正常化させ、2027年には政策金利が1.5%の中立的な水準に達すると予想しています。
また先週は、政策バイアスという観点から「リフレーション主義者」とみなされている2人の新たな日銀審議委員候補が提示されました。概して言えば、高市氏が審議委員として誰を選ぶかについては、トランプ氏が米連邦準備制度理事会(FRB)に与える影響力への市場の過度な懸念と同様に、深読みすべきではないと考えています。高市氏は成長を最大化したいと考えており、このことは金融政策に関してはハト派的な姿勢と捉えられます。
しかし、日銀は経済指標と日々のニュースフローに反応することでしょう。日本経済に対しては当社は建設的な見方を維持しており、これが高い政策金利を想定する根拠となっています。また、米ドルに対して1米ドル=160円を超える円安に対しては抵抗感があるとみています。足元では、円に対しては中立的なスタンスとし、長期日本国債に対しては強気、また日本株に対しても引き続き前向きにみています。
社債市場では、AIの影響を見極めようとする動きが続き、ソフトウェアやビジネスサービス、プライベート・クレジット、プライベート・クレジットにエクスポージャーを有する保険会社など、AIによる破壊に脆弱と見られる市場で差異が大きくなり、スプレッドの拡大につながりました。
いくつかの市場では、市場参加者の間で「口より先に手が出る」いった動向が見られ、興味深いミスプライスも生じ始めています。全体として、市場スプレッドは依然として過去最もタイトな水準近辺にあり、大幅なベータ・リスクを取ることには依然として慎重さが求められます。しかし、差異は今後も拡大し続けるという感覚は日増しに強まっています。
今後の見通し
この先を見据え、当面の間は、リスクを適度な水準に保つことに満足しています。ハイレベルで見ると、市場は概ねレンジ内で取引されているように見受けられます。主要国において大幅な景気減速の証拠がなく、インフレも抑制されていることが、リスク資産の支えになるとみています。為替市場のボラティリティは抑制されており、これはキャリー通貨のロングを継続するという投資テーマを支え続けています。しかし、これは表面下におけるより極端なボラティリティの高まりの幾つかを覆い隠しているとみています。このような点を踏まえれば、株式に幾らか大幅なリスクオフの動きが発生して、その後に足場を固めて、上向きのモメンタムを再構築するという動きとなっても不思議ではありません。したがって、今は「ゴースト」であるリターンを追い求めるプレッシャーを感じておらず、下落局面での押し目買いのタイミングを待ちたいと考えています。
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