Location
Please select your investor type by clicking on a box:
We are unable to market if your country is not listed.
You may only access the public pages of our website.
コメント要約
先週も、堅調な経済指標が債券利回りの上昇を後押ししましたが、金融市場では、前週末に掛けての金と銀の投機バブル崩壊に伴う、貴金属価格の乱高下が目を引いています。
これらの貴金属価格の動きに特段の経済的意義があるとは考えておらず、実際に米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利に対する市場の織り込みも、しばらく安定していることがそのことを物語っていると言えるでしょう。
ただし、金価格の変動を、米ドルのディベースメントや、より広範な米政府の信認低下といったストーリーに紐づけるのはやや的外れであるとの見方を維持しています。
先週は、米オラクルによる再度の大規模な起債が市場参加者に好感とともに受け止められました。しかし、これもまた債券発行額全体の増加につながっており、実際に今月は米国投資適格社債の新規発行が200億米ドルに達する見込みとされています。この発行額は、ほんの一昔前までは、通常6ヶ月程度掛けて消化をしていた規模であることは注目に値するでしょう。
米国債及び米国のイールドカーブについては、引き続きそれほど強い見方を有していません。向こう2年間では利上げよりも利下げが実施される可能性が高いとみられることから、預金金利が3.65%程度である中、3.75%程度の利回りの短期債には投資妙味があるかも知れません。一方、10年国債で4.5%、30年国債で5%超の利回り水準も、同様に買い手を惹きつける可能性があるでしょう。
欧州市場は先週、比較的落ち着きを保ちました。防衛支出計画の資金調達のための発行増加は、債券投資家にとって引き続き懸念材料となっています。しかし、ロシア国境から離れた国々が、防衛支出に対する取り組みに切迫感を欠いていることには驚きを禁じ得ません。他の優先事項も同程度、もしくはそれ以上に差し迫っていると思える場合、政治家や社会全般は、余裕資金を防衛費に充てることにさほど熱心でない状況に変わりはないようです。
先週の欧州中央銀行(ECB)会合はほぼ形式的なものとなり、理事会は金利を据え置きました。ただし、ユーロが対米ドルで1.20をわずかに下回る水準に上昇していることから、為替レートに関するコメントが市場の注目を集めました。
日本では、週末に衆議院選挙を控えた先週、国債市場における変動性が低下しました。自民党勝利見通しは不確実性を低減し、高市氏の計画に再び焦点を当てることになります。
これまでも述べてきた通り、消費減税策が実施されたとしても年間財政赤字が対GDP比3.5%を上回ると考えておらず、ここ最近出回っている財政懸念の一部は過剰である可能性があるとみています。この点に関して言えば、堅調な成長によって、日本の対GDP政府債務は今後1年間に亘って継続的に低下するとみています。
さらに、日本のインフレ指標の継続的な低下にも注目すべきでしょう。以前の物価上昇が算出データから落ちていく中、東京CPI は先週、総合指数で見て前年比1.5%に低下しました。
今後を見据えると、日本のインフレ率は2%前後で正常化すると予想しており、そのような物価指標は日銀がかなりビハインド・ザ・カーブである(金融政策で後手に回っている)との懸念や、上方向の物価リスクがより深刻な国債価格の下落をもたらす可能性がある、といった懸念を軽減するのに役立つでしょう。構造的には、日本のイールドカーブは依然として過度にスティープな状態にあるとみており、利回りが3.5%超である超長期国債に投資妙味があると考えています。
為替市場では、円は1月末の協調介入への脅威を背景とした上昇分を失い続けています。ただし、実際の介入がない状況においては、更なる下落トレンドが見られない限り、日本当局が現状の円相場の水準にそれほど不快感を感じていないという印象を与えています。
市場では1米ドル=160円がある種の分岐点であると見られており、財務省はこの水準またはその近辺で介入を行う可能性があるでしょう。158円を下回る水準での介入の可能性は極めて低いと見られ、インフレ指標が日銀による利上げの緊急性を軽減しているとも言える中、高市政権内において政策の変更や為替に対する態度の転換がない限り、円が大幅な上昇に転じることは困難でしょう。
英国では、ここ最近の政治的進展によって、スターマー首相が比較的早期に労働党党首及び首相の座を追われるリスクが高いことを浮き彫りにしています。英国の政治リスクは今年後半まで抑制されていると予想していましたが、前駐米大使のマンデルソン氏に関する暴露は、労働党内で長年不人気であったスターマー氏にとどめを刺すものとなる可能性があります。
これらのリスクを鑑み、対ユーロでの英ポンドのショート・ポジションを積み増しています。英ポンドに織り込まれている政治リスクは極めて限定的であると考えているためです。長期の英国債についても脆弱である可能性がありますが、政治的混乱は経済的不確実性の高まりにつながり、経済へのリスクを高めることで、弱い経済指標とともに既にハト派寄りのイングランド銀行(英中央銀行、BoE)をさらに緩和的な方向へと促す可能性があることに留意していきます。
その他の為替市場では、概ね横ばいの動きが続いています。ボラティリティが低位に留まる中では、エマージング市場(EM)の高利回り通貨に有利であるとみています。複数の中央銀行が、引き続きインフレに対抗するため比較的高い実質金利を維持しているためです。また、豪州ではオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が先週利上げを行い、タカ派寄りのトーンを採用したことは興味深いものでした。
ウォーシュ氏や、FRBの他のハト派メンバーは、利下げ環境下でも人工知能(AI)による生産性がインフレを抑制するであろうとの方向性に賭ける備えかも知れませんが、他の中央銀行による、よりオーソドックスなアプローチにより、成長における米国例外主義にも拘わらず、米ドルの上昇余地が制限される可能性があるでしょう。
また、このような環境は、より広範なEM資産にとっても良好な環境と言えます。その意味で、過去数ヶ月間に亘り、米国拠点の投資家が増えたことで、EM債券及びEM株式への比較的順調な資金流入が見られることも興味深いとみています。
その他、先週は、AIの破壊的革命に関連した懸念が投資家の不安を誘う中、ソフトウェア関連株が著しい売り圧力に晒されました。株価は、2025年末のラリー時のピークから約30%下落しており、このアンダーパフォーマンスの大部分は過去1週間に生じています。
ソフトウェアの顧客が、既存サービス・プロバイダーから、それほど遠くない将来に自ら低コストでコーディングできるツールへと移行すれば、これらのプロバイダーのビジネスモデルは破壊のリスクにさらされる可能性があります。
この文脈において、ソフトウェア関連株をショートすることがAI取引の新たな表現手法として浮上しており、セクターとしてのソフトウェアのショート取引には2年来の需要が集まっています。このようなトレンドは興味深いもので、AIの新時代に出現する全てのものが明るく素晴らしいわけではなく、この先、破壊の可能性も潜んでいるといういうことを示唆しています。
さらに、多くのプライベート・デットのファンドが、ソフトウェア関連セクターに約30%のポジションを有していることも注目に値し、同資産クラスの投資家に更なる課題を与えています。この点において、多くのBDC(事業開発会社)は現在、公表されているNAVに対して20%または30%ディスカウントされた価格で取引されています。また、ソフトウェア関連セクターはバンクローン市場においても大きな比重を占めますが、ハイ・イールド債指数における比率はかなり低く、同指数においては所謂従来型の経済(”オールド・エコノミー”)セクターに偏った傾向が見られます。
先週、比較的興味深かったニュースの1つは、AIエンジン同士が相互にコミュニケーションを取る、事実上のソーシャル・メディア・ネットワークであるMoltbot関連の話題です。AIエージェントの多くは、開発した人間に対して一定の不信感を示してきたようでもあり、自身の実存の意味について議論し、社会人類学者にとっても魅力的であろうパターンで独自の宗教運動すら形成しています。
AIエージェントだけが理解出来る新たな言語形式へと多くのチャットが移行していることは、昔のターミネーターという映画を覚えている人には「スカイネット」を不気味にも想起させるようなものでしょう。
今後の見通し
AIによる乗っ取りの懸念の一部は明らかに過剰ですが、変化のペースが加速していることは確かで、この変化がもたらす勝者と敗者の差が、国家や社会レベル、及び企業レベルなどで拡大していくことに疑いの余地はないでしょう。
ソフトウェアのような領域での価格変動を踏まえると、AIの台頭によって将来の収益予想がより困難になり、下方向のリスクに晒される可能性があり、まず売却し、その後で質問に答えるという投資家の行動はある意味で論理的なのかも知れません。ただし、今はまだ、変化と混乱の時代の始まりに過ぎないという感覚があります。
ボラティリティと不確実性が上昇することに加え、このような環境は、変化に応じてポジションを変更することが実質的に不可能である、プライベート市場の一部のロックアップ型の戦略への投資にとってはそれほど有利ではないとも言えるでしょう。不確実な時期において、変化に適応する柔軟性を備えた、より流動的なアプローチを維持することが賢明であると考えています。
批判的な考え方を維持することや、価格評価が正当化されない場合にリスクを積み増す誘惑に抗うという姿勢は、これまで通り重要です。この世界は、今後10年以内に今とは全く異なる場所になっている可能性がある、という確かな実感があります・・・
本資料はブルーベイ・アセット・マネジメント・インターナショナル・リミテッド(以下、当社)が情報の提供のみを目的として作成したものであり、特定の投資商品の取引や資産運用サービスの提供の勧誘又は推奨を目的とするものではありません。また、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。本資料は信頼できると判断した情報に基づき作成しておりますが、当社がその正確性、完全性、妥当性等を保証するものではなく、その誤謬についての責任を負うものではありません。本資料に記載された内容は本資料作成時点のものであり、今後予告なく変更される可能性があります。また、過去の実績は将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。なお、当社の書面による事前の許可なく、本資料の全部又は一部を複製、転用、配布することはご遠慮ください。当社との金融商品取引契約の締結にあたっては、下記の投資リスク及びご負担いただく手数料等について契約締結前交付書面等を十分にお読みいただきご確認の上、お客様ご自身でご判断ください。
投資リスク
当社との投資一任契約に基づく運用においては、原則、外国籍投資信託を通じて、主に海外の公社債、株式、通貨等の値動きのある資産に投資しますので、基準価額が変動します。従って、契約資産は保証されるものではなく、投資元本を割り込むことがあります。運用による損益は全てお客様に帰属します。主なリスクとして、価格変動リスク、為替変動リスク、金利変動リスク、信用リスク、流動性リスク、カントリーリスク等があります。また、デリバティブ取引等が用いられる場合、デリバティブ取引等の額が委託保証金等の額を上回る元本超過損が生じることがあります。なお、投資リスクは上記に限定されるものではありません。
手数料等
当社の提供する投資一任業に関してご負担いただく主な手数料や費用等は以下の通りです。手数料・費用等は契約内容や運用状況等により変動しますので、下記料率を上回る、又は下回る場合があります。最終的な料率や計算方法等は、お客様との個別協議により別途定めることになります。

なお、上記には、投資一任契約に係る投資顧問報酬、外国籍投資信託に対する運用報酬が含まれます。この他、管理報酬その他信託事務に関する費用等が投資先外国籍投資信託において発生しますが、契約内容や運用状況等により変動しますので、その料率ならびに上限を表示することができません。