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コメント要約
グローバル市場は先週、週初めに下落した後に回復しました。週初は、グリーンランドの支配権をアメリカに譲渡するという要求に応じなければ、複数のヨーロッパ諸国に対して10%の追加関税を課す、とトランプ米大統領が発表したことが市場を揺さぶりました。
米国からすれば、第1次トランプ政権でも当初このアイデアが浮上していたことを思い起こせば、トランプ氏のこれらの計画は大統領の個人的なプロジェクトのようなものです。最終的には、北大西洋条約機構(NATO)加盟国という状況から、米国がグリーンランドでの軍事力を拡大することを妨げるものは既にほとんどないと言えるでしょう。レアアースに関する言説についても、必要であれば米国やオーストラリアなど、そのような鉱物をはるかに容易に採掘できる場所が多数存在するということを見過ごしているように思います。
一方、欧州の視点からすれば、欧州の領土主権に対する公然たる攻撃に対して強い反感が生じ、交渉の余地はほとんど残されていませんでした。これにより、EUが、昨年の米国との通商協定の批准を撤回し、強制力対抗措置(Anti Coercion Instrument)を発動して米国に対する追加関税を課す、という脅威が生じました。これにより、世界貿易における大きなシェアが公然たる貿易戦争のリスクにさらされる恐れが生じることになります。
最終的に、トランプ氏はダボス会議の場で理性に従ったように見受けられますが、大西洋間の関係にさらなるダメージがもたらされたことは事実でしょう。これに関して言えば、欧州にとって、もはや米国が極めて信頼出来ない友人やパートナーのように見えてきているという感覚があります。ロシアが笑いながら傍観する中、先週の出来事によって、より大きく長期的な地政学的影響がもたらされた可能性があります。
米国が北大西洋での領土拡張を正当化しようとすることで、ドンバス地方を巡るプーチン氏の主張や、中国政府の台湾に対する野心を正当化してしまうことにもなり兼ねません。しかし今のところ、短期的にはリスクが抑制されたように見えることに金融市場は安堵しているようです。その点で、経済見通しは大きく変化しておらず、債券利回りはここ最近の取引レンジ内で再び横ばいの動きを続けることになるでしょう。
とは言いながらも、先週の出来事は欧州の防衛支出加速の必要性に関して緊迫感を強めたと言え、これは財政赤字の上振れリスクや、長期債利回りの上昇リスクを示唆しているとも言えるでしょう。
さらに、ここ最近の展開は、足元で増大する地政学的リスクの影響を受けにくいように見えていた金融市場の慢心に対する警告とも言え、少なくともしばらくは、リスク選好を牽制する役割を果たすかも知れません。米国の利回りについては、引き続き明確な方向性を持った見方はありません。
ユーロ圏では、緩やかなイールドカーブのスティープ化バイアスを維持しています。一方、英国では、アンディ・バーナム氏がスターマー首相に挑戦するには、いくつかの非常に高い障害があるものの、政治的リスクが再び高まりました。現時点では、この先数週間でさらに軟調な経済指標が予想されることから、英国では金利デュレーションのロング・ポジションを選好しています。
その他の地域に目を向けると、先週は日本の債券利回りにおいて再び著しくボラティリティが高まりました。高市早苗首相が2月5日の総選挙を発表し、与党自民党と野党連合の両者が財政緩和を訴えています。
このことが、債務持続可能性に関連した懸念も相まって利回りに上昇圧力をもたらすとともに、20年債の入札も弱かったことから日本国債利回りは過去最高水準へと上昇し、30年債利回りは4%に接近しました。これを受けて政府高官が市場の落ち着きを求める発言をしたことから、その後は安心感から利回りが低下に向かいました。
当社の見方としては、日本の財政は過度に不健全な状況にはありません。日本経済は成長しており、何らかの財政緩和があったとしても、2026年の日本の政府の財政赤字は、多くの国よりもはるかに小さくなると見られています。
さらに、日本は対GDP比での債務レベルが高水準ではあるものの、巨額の国内貯蓄があり、純債務という意味では極めて管理可能な水準と言えます。加えて日本は、一般的にソブリン債務危機にさらされる国が経験するような、経常収支と財政収支の双子の危機にさらされていません。
このような点を踏まえれば、日本の長期債利回りの絶対水準は高すぎるとの見方を持っており、これはリスク・リターンを踏まえても、日本のイールドカーブの長期ゾーンでアウトライトのロング・ポジションを取ることが賢明と判断しました。これほどにスティープ化したイールドカーブ上において、キャリーは魅力的です。
さらに、長期的な日本の投資家が必要とする利回りレベルを上回っていることからも、この先GPIF(年金積立金管理運用機構)などの機関投資家がこのような利回り水準で国内債の配分を増やそうとしたとしても、驚くことではありません。
高市首相が、自らロールモデルとするマーガレット・サッチャーのようではなく、むしろリズ・トラスのように後退してしまうのではないかとの懸念があります。しかし、これは不必要な厳しい見方のように思えます。さらに、政策当局者が市場参加者との関係を保つ、という責任と意思を示すことが出来れば、日本国債パニックが起こることはないでしょう。
為替市場では、先週の出来事を背景に、昨年4月に見られたような「米ドル売り」取引が再び取り沙汰されました。緊張の緩和によって米ドルは早期に反発し、また最終的には、米国経済が欧州よりもかなりダイナミックな状態である中、欧州の投資家に、保有する米国資産を売却する意図や能力があるとは考えづらいとみています。
トランプ氏の最近の行動がなければ、米ドルは現状よりもユーロに対して高値を付けていたことでしょう。とはいえ、米ドルに対する信頼を損なう爆弾テープを投げないことをトランプ氏に期待しながら、確信を持って米ドルの上昇を期待することも愚かに見えるでしょう。
その他、円相場は1米ドル160円が依然として当局の潜在的な介入トリガーであるとみており、日本、韓国、米国における政策当局者の望みを踏まえれば、これらの国が力を合わせて韓国ウォンと円を米ドルに対して上昇させることを目指す可能性も近づいているかも知れません。
他の市場とは対照的に、社債市場は先週のマクロ面でのボラティリティの影響をほぼ受けませんでした。グローバル経済のリセッションへの懸念のきっかけとなり得る貿易戦争は、社債市場の環境を根底から変える可能性があると言えるでしょう。
しかし実際には、そのようなシナリオに直面するまでには何らかの妥協が見つかるであろうとの見立てのもと、そのような結末を想定していた人は誰もいなかったということのようです。その意味で、金融市場は必ずしもトランプ氏を「TACO(Trump Always Chickens Out)」という目線から見ている訳ではなく、むしろ、政策措置ではなく、交渉手段として関税ツイートを使用し、「取引のアート」を実行出来ると考えているトランプ氏のやり方に、もはや鈍感になっていると言えるでしょう。
今後の見通し
先週1週間は、1週間先のことを予測することさえ難しいということを実証したと言えるでしょう。過去数日間はまるでジェットコースターに乗っているかのようでした。
市場は今年初めの水準近辺に戻っているようですが、マクロ面でのリスクは上昇しているように見受けられ、この先のリターン特性が左側の負のテールに過度に傾かないように、ポートフォリオで保有するリスク資産に十分なスプレッドが提供されていることを確認することがますます重要になっています。
売買の水準に関して、規律を維持することが引き続き重要です。さらに、先週は、市場が激怒したり、オーバーシュートしたりしたときこそ、極めて良好な投資機会が訪れる可能性があるということを改めて思い起こさせるものでもありました。日本国債市場がまさにその例でした。
よりリスク性の高い他の資産については、押し目買いを試すような水準にすら下落せず、また多くの市場では、深く根ざした慢心を覆すために、より極端なイベントが必要になるでしょう。果たしてどのようなイベントとなる必要があるのか、考えただけで身震いしてしまいそうです!
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