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コメント要約
先週の金融市場では、比較的堅調な米経済成長を背景に、長期債利回りがやや上昇しました。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合では市場参加者にとって目新しい材料はほとんどなく、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は5月の任期満了まで政策金利を据え置く姿勢を示しています。
実のところ、FRB議長の交代がなければ、2026年の残りの期間での追加金融緩和に対して、これほど盛り上がったかどうか疑問が残るところです。
しかし、トランプ米大統領が新議長としてケビン・ウォーシュ氏を指名するとの報道があり、人工知能(AI)による生産性向上が一定のインフレ抑制効果をもたらすとして、ハト派的なスタンスが正当化されるだろうという見方が広がっています。結果として、先物市場においては依然として、今年末までに2回の利下げが織り込まれており、この状況は過去数ヶ月間続いています。
他の候補者と比較すると、ウォーシュ氏は相対的にそれほどハト派ではないとみなされる可能性もあります。これまでのFRB関係者とのミーティングを踏まえると、ウォーシュ氏は関係者の間で高く評価されており、FRBの独立性を脅かす存在にはならないとの認識が広がっています。
その意味では、米国における制度的信認が損なわれるという一部の懸念は、過度に強調されていた可能性があります。またウォーシュ氏はFRBのバランスシートを縮小し、マンデートを一部限定する方向に動くとみられています。
仮にバランスシートに関する措置が実行された場合、政策金利を引き下げる言い訳ともされる可能性があります。しかし、それによって長期の借り入れコストを低下させる効果は限定的となる可能性があり、住宅ローンの負担軽減などのアフォーダビリティの解決には必ずしもつながらないと考えられます。
我々は引き続き、米国債や米国イールドカーブに対して中立なスタンスを維持しています。10年債利回りが4.5%付近まで上昇すれば、買い場と判断できる可能性があります。一方で、4%を下回る水準まで低下すれば、ショート・ポジションを構築する好機になると考えています。しかし、現時点では、このレンジの中間に位置しているため、米国金利以外で投資機会を探す方が適切と考えています。
一方で、コモディティ価格の上昇は短期的にインフレの上振れリスクを増幅させており、ゴールドマン・サックス商品価格指数は先月中旬と比較して10%上昇しています。金属がこの動きを主導し、投機的な買いに伴い、金と銀の価格が顕著に上昇しました。
ただし、価格の上昇は広範に見られており、ソフト・コモディティに加え、エネルギー価格も過去数週間で上昇しています。ブレント原油価格は70米ドルで、過去12ヶ月平均をわずかに上回る水準にあります。イラン及び中東全域における緊張の高まりがこの一因であり、トランプ氏が掲げる50米ドルへの原油価格下落への米政権の期待感は、もはやかなり後退してしまっているようです。
原油価格の上昇は、ここ最近圧力を受けていた複数の産油国の財政を安定させるのに役立つでしょう。しかし米国では、コモディティ価格がさらに上昇し、消費者物価に波及し始めれば、中間選挙を控えてアフォーダビリティに神経質になっている米有権者からは歓迎されないでしょう。
一方、ここ数日、為替市場の動きにも注目が集まっています。先週末の米財務省による米ドル/円のレートチェックは、協調介入への期待から、劇的な米ドル安を促すきっかけとなりました。
実弾介入は未だ実施されてはいないものの、このような動きは市場に緊張をもたらし、当面の間、日本円の更なる下落を投機的に捉えようとしていた市場参加者を躊躇させているようです。
このような動きの一部背景には、過去1週間を通じて日本国債市場の不安定さが米国債に悪影響を及ぼし始めていることに対する、米国側の不満の高まりがあったとみており、市場の平穏さを取り戻したいとの希望が強まっていたとみています。
しかし、米政権が貿易赤字削減への願望をすでにどれだけ口にしているのかということを考えれば、これらの米政権の行動は、米国はより広範囲なドル安を短期的に目指しているのではないかという疑問をもたげさせています。ただし、当社の考えでは、日本円と韓国ウォンを除いた他の主要通貨に対しては、米国はむしろ米ドルの安定を望んでいると思いす。
明らかに、米国は昨年4月のボラティリティ上昇時に生じた「米国売り」トレードの再現というシナリオは、回避したいであろうと思います。
欧州が、依然としてグリーンランド問題で米国に不満を抱え、トランプ政権下での米国の姿勢に対して非難の声が強まっている中、過去数週間では、米国資産から資金を逃避させるという資産配分の見直しが注目を浴びており、米政権は、このような資金流出が洪水とならないことを望んでいます。
ただし我々は、このシナリオが起こる可能性は低いと考えています。世界中の投資家が引き続き米国株式を保有したいと考えており、堅調な経済成長やAIにおける主導権が企業の力強い利益成長を促している時期に、投資家が急いで保有する米国資産を削減する可能性は低いとみています。
とは言いながらも、先週米ドルは下落し、一時米ドルに対してユーロは1.20を上回りました。米ドルの方向性について強い見方は持っていないものの、足元の環境は高利回りのエマージング(EM)通貨に有利な状況であると考えています。
先進国市場においては、多くの市場コメンテーターが米ドル安のトレンドに飛びついているにもかかわらず、経済ファンダメンタルズは引き続き米ドルの支援材料となると考えてます。しかし欧州経済の弱さを踏まえれば、ユーロは魅力的なロング・ポジションではないとみており、英国では英ポンドのショートを維持したいと考えています。
円に関しては、米ドルに対して153円まで上昇したことで、160円と認識されている介入水準が近づくにつれて高まっていたプレッシャーが幾分和らぎました。現時点では、この先実際の介入があるとは予想しておらず、今後数週間で円相場は再び155円を超えて円安に向かう可能性があるとみています。
前週は円のロング・ポジション構築機会を逃していたため、今後160円に近づいたタイミングを活用して、ポジション構築を検討する方針です。
欧州債券利回りは過去1週間、概ねレンジ相場となりました。現時点では、今年中の欧州中央銀行(ECB)による政策金利変更は予想していませんが、特にユーロが為替市場で上昇を続けた場合などに域内のインフレ・リスクが下振れした際、利下げ確率が高まる可能性があると考えています。
このことは同時に、ユーロ圏のイールドカーブをスティープ化させる可能性があるとみているものの、短期的には、オランダの年金基金改革に先立って構築されていたスティープニング・トレードの巻き戻しによって、イールドカーブがフラット化する可能性を警戒しています。
その他のユーロ圏では先週、フランスの予算案成立がフランス国債のアウトパフォームにつながりました。ユーロ圏ソブリン債のスプレッドは全般的にタイトな水準にあり、このような状況はこの夏に向けて続く可能性があるとみています。最終的には、2027年のフランス選挙に焦点が当たり始めれば、政治リスクが高まるとみているものの、現段階ではまだ当面先の話であると考えています。
英国では、やや市場の落胆を誘うインフレ指標の発表が、イングランド銀行(英中央銀行、BoE)による利下げへの期待感に水を差しました。これは英国債にネガティブに働く一方、英ポンドには追い風となったため、我々が維持していたポジションとは逆方向の動きとなりました。
また、4月からの水道料金の5%引き上げの発表も、このような市場心理に拍車を掛けました。しかし、英経済は依然として弱く、これが労働市場の軟化につながり、賃金上昇を弱めているという証拠が見られています。
したがって、年が進むにつれ、インフレ関連の指標は改善に向かうとの前向きな見方を維持しています。英国の住宅価格は既に低下しており、基調的なセンチメントも弱含んだままです。
日本の国債利回りは前週の乱気流の後、先週はより安定しました。介入の脅威による為替市場での円の動きが、利回り低下にもつながることを期待する市場参加者もいたかも知れませんが、それは実現しませんでした。
衆議院選挙が来週に控える中、選挙結果に対しても多くの関心が集まっています。興味深いことに、高市早苗首相の下で自民党が消費税の引き下げを初めて提案した際には、財政に無責任であるとみなされたのに対し、今では野党の方がずっと拡張的な計画を採用しているようです。この場合、我々のベースケースである高市氏(自民党)の絶対的勝利は、実際には金融市場にプラスとみなされる可能性があるでしょう。
日本の財政リスクについては既に多くの見方が示されてきました。しかし、我々は、日本が債務持続可能性に対して脆弱であるとは考えていません。対GDP総債務は高水準にありますが、豊富な国内貯蓄を考慮すれば純債務は80%を下回っています。
さらに、日本は大きな経常黒字を計上しており、債務の大部分は、気まぐれな売り手となる可能性の低い日銀によって、国内で保有されています。加えて、日本の2025年度の財政赤字は約2.4%で、世界的に他の多くの国で記録された水準を大きく下回っています。
2026年に消費税を引き下げたとしても、その後の年の財政赤字が4%を超えるとは考えていません。その場合、日本経済が堅調さを維持し、名目GDP成長が健全な水準に留まる限り、日本の対GDP債務比率は今後12ヶ月間で低下基調を維持するとみられます。
足元では、日本のイールドカーブの長期ゾーンにおいて、アウトライトでのロング・ポジションに投資妙味があるとみています。30年債の3.5%超の利回りは、日本の年金基金業界で一般的に必要な利回りのほぼ2倍に近いです。
来年度には日本の国内資産へのかなり大きな資産配分シフトがあるかも知れないとみており、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のような巨大な投資ファンドが政府の管理下にあることを踏まえれば、日銀にイールドカーブ・コントロールの再実施を検討するよう求める必要さえなく、国債市場を安定させるために投入できる大量の資本があることには留意しておきたいと思います。
過去1ヶ月を振り返ると、世界各地でボラティリティが上昇しているにもかかわらず、金融市場が比較的落ち着いていたことが印象的です。
今後の見通し
この先、このようなボラティリティの高まりが資産価格の動きにより直接的に影響を与えたり、貴金属や株式市場の一部で投機的な動きが増えたりすれば、市場の反落という脆弱性を高めるイベントの可能性があるでしょう。
社債スプレッドが過去数年で最もタイトな水準近辺にある中、よりディフェンシブな方向に動き、他の市場で利回りやキャリーを得られる機会を発掘したいと考えています。足元では、多くのEM通貨と金利の市場において投資機会を見出しています。
これに加えて、米ドルヘッジ・ベースで見ると、日本の30年債利回りは6.50%となっているなど、先進国市場で非常にスティープしたイールドカーブであれば、キャッシュ利回りに対して魅力的なキャリーを得る興味深い投資機会もあると考えています。
実際、これが米国ハイ・イールド社債指数と同水準の利回りであることを踏まれれば、まるで全てが反転して見える、不思議の国のアリスの世界にいるかのような感覚を覚えます。
確かに、舞台の周りを走っているマッドハッター(いかれた帽子職人)は至る所にいるようにも思えます。願わくば、最終的に彼らが中毒になって、まがい物の金にまみれなければ良いのですが。少なくとも、既に多くの暗号資産への投資家がそれを実感し始めているようです。
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