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コメント要約
先週1週間は、米経済指標が引き続きリスク資産の支えとなりました。アトランタ連銀GDPナウが今四半期初めに5%超へ加速する一方、コアインフレ率は2.6%で安定しています。これは、米国政権にとって「Goldilocks(適温)」な経済環境と言えるでしょう。しかし、トランプ米大統領は実績に慢心することなく、2026年を「Fast and Furious(高速かつ激しく)」スタートさせ、多方面で彼を取り巻く世界を再構築しようと躍起になっています。
ここ最近の同氏のイニシアチブを振り返ると、前週に連邦住宅抵当金庫(FNMA)への2,000億米ドルの住宅ローン担保証券購入指示は、裏口からのある種の量的緩和(QE)とも捉えられ、トランプ氏の住宅ローン金利引き下げに対する思想的な熱意に結びつけることが出来ます。
同様に、クレジットカードの金利に10%上限を設けるとの(広くに非現実的と批判されている)試みも、今秋の中間選挙を前にした、「アフォーダビリティ」問題に対処する意図の表れと見られています。一方、先週の米連邦準備制度理事会(FRB)議長への司法省召喚状発行の背景には、FRBがより速やかな利下げに消極的であることに業を煮やしたトランプ氏の思惑が見て取れました。
このような行動は中銀関係者からの幅広い非難の対象となり、これらの報道を受けて、トランプ氏は迅速にこの措置から距離を置き始めたようです。確かに、米大統領が最も避けたいのは、残任期間が短いパウエル氏を裁判所が「殉教者」であるかのように仕立て上げることでしょう。
金融市場は、トランプ氏がまもなく新たなFRB議長を指名すると認識していることもあり、今回のパウエル氏を巡る騒ぎには早々に見切りを付けました。その意味では、米政権が新議長指名後もFRBへの攻撃を継続するとは考えにくいでしょう。
さらに、市場では、政策が経済見通しに重大な再評価をもたらさない限り、特段の行動や注目は不要との見方が主流となっています。このような考え方は、ベネズエラやグリーンランド、そして直近のイラン関連の報道に端を発する地政学リスクにも当てはまります。
市場は、この1年間の米政権の特徴である変化と混乱に、鈍感になっているように見受けられます。昨年4月のように、このような楽観的な姿勢が突如として変化するリスクは燻るものの、現時点では、近々にそのきっかけを特定することは困難なようです。
結果として、米国債についてはレンジ内で取引される状態が続いており、10年債利回りは昨年9月以降4.00%~4.25%のレンジ内に留まっています。今月の主要な米経済指標の発表は既に済んでいることから、少なくとも1月末まではこのような値動きが続くと予想されます。
為替市場では、米ドルが昨年8月以降、ユーロに対して狭いレンジ内で推移しています。ここでは、投資家センチメントの重石となってきた、米国の信頼性への継続的な攻撃がなければ、米ドルが実際にはより堅調に推移していただろうと考えることも出来るでしょう。
その他の市場では、日本において、より顕著な市場変動が見られました。高市首相が基盤強化のため解散総選挙に踏み切る見通しとなり、これが国内株式の上昇につながった一方、財政・金融政策のさらなる緩和への懸念から、債券と為替にはプレッシャーが掛かりました。このような懸念の一部は過剰になりつつあると考えています。2026年年度予算は既に閣議決定されており、金融政策についても、高市首相は円のさらなる下落を阻止するためであれば、日銀の利上げを容認する姿勢を示しています。
高市首相は、大衆受けするリーダーであることを示しています。彼女の持続的な成功の鍵となるのは、国民感情がより楽観的となる中で、金融市場を味方につけることの出来る、現実的かつ責任ある手段を示せるかどうかでしょう。
国民の楽観的な見方は、年初から日経平均株価が8%の上昇という記録的な株高に表れています。逸話的ではあるものの、このような強気姿勢は東京での今年の初マグロの競売価格にも見て取れ、今年は、すしざんまいチェーンの木村氏が近年を大きく上回る5億1,000万円という驚異的な価格で落札しました。
日本での巨額の国内貯蓄はほぼ現金で保有されており、これはデフレ経済環境下においては合理的でした。しかし、期待インフレが正常化し、日本企業が労働生産性向上を通じて利益を獲得している中、富裕層の国内投資家がリスク選好を高め、国内市場に回帰する構造的転換は、まだ始まったばかりと言えるかも知れません。
欧州に目を向けると、経済環境ははるかに悲観的です。 政策担当者たちは、EUが成長やセンチメントを構造的に抑制する多くの政策を実行している、規制過多な体制であることに徐々に気づき始めています。
他の地域で見られる活気は、欧州の重要性と存在感の長期的な衰退を物語っているかのようです。1年前、EUは、気まぐれな米大統領が世界秩序におけるEUの声をより高めることになると考えていましたが、現実にはそうはなりませんでした。
2026年の財政拡張によって、ユーロ圏経済は1%前後で成長を維持し、域内でも南欧が相対的にアウトパフォームする可能性があるとみています。欧州中央銀行(ECB)は今年、利上げするよりも利下げをする可能性の方が高いとみていますが、今後数四半期は金融政策の変更は予想されず、このような環境下において、ドイツ国債利回りはほぼ横ばいで推移するとみています。
ユーロ圏のソブリン・スプレッドは縮小しており、今後数ヶ月でさらに小幅に縮小する余地があるかもしれません。しかし、フランスの地方選挙は2027年フランス大統領選への足掛かりとなる可能性があります。
国内政治への注目が高まれば、ユーロ圏の長期的な将来への懸念が再燃する恐れがあり、その意味で、スプレッドのさらなる縮小にとっての長期的なハードルとなるでしょう。
英国の経済環境も低調です。 労働市場は縮小の兆候を示しており、これが賃金上昇を抑制することで、イングランド銀行(英中央銀行、BoE)が今後数ヶ月でより利下げに傾くことになるでしょう。景気後退は回避出来る可能性がありますが、停滞した状態に留まり続けるでしょう。
その他の欧州の国では、エネルギー価格の高騰によってEUの製造業は壊滅的な影響を受けています。サービス業主導の経済である英国は、相対的に影響が少ないはずです。しかし、政府の反成長政策が成長を抑制し、国民の閉塞感を助長し続けています。冬真っただ中で、寒く暗い時期にあり、全国的に楽観的な見方はほとんどありません。
とはいえ、このような悲観的な評価は、少なくとも現時点では英国債にとって好材料となる可能性があります。 5月の地方選挙後の今年後半には、政治的な混乱と不安定さが増す可能性があるものの、目先数ヶ月間は抑制されるとみています。英労働党は選挙での大敗が予想され、それを引き受けたいという労働党の議員はほとんどいないからです。
社債市場では、スプレッドがタイトな水準に留まっています。2026年には巨額の新規発行が強い逆風になると見られるものの、この先1年の米景気後退の確率が10%未満に低下しているため、マクロ環境が大きく変化しない限り、スプレッドが大きく拡大する可能性は低いとみています。
スプレッド縮小の余地が限られる中、投資家はキャリー獲得の機会を探しています。そのような投資機会は、一部の高利回りの社債や、ルーマニアなどの高利回りのソブリン債に存在していると考えています。ルーマニア長期債は、依然としてドイツ国債に対して300bpsの上乗せ利回りを提供しています。
また、ブラジルやコロンビアなどエマージング市場の一部の現地金利にも投資機会を見出しています。ターム・プレミアムが過大であるとともに、今年後半の建設的な政治展開にも期待しています。
為替市場でも、ボラティリティの低い環境においてキャリーが魅力的です。例えば、エジプトやナイジェリア、トルコなどの高利回り及びフロンティア市場、ノルウェー・クローネやアイスランド・クローナなど欧州通貨にも投資妙味があるとみています。
今後の見通し
この先を展望すると、先週米国債利回りのボラティリティ指数(MOVE指数)が4年半ぶりの低水準を記録したように、大きなショックがなく、マクロ経済見通しの再評価を促す材料がない限り、現在の市場均衡は継続する可能性があるとみています。
この文脈において、ボラティリティの潜在的なきっかけとなり得るのは、目先予定されている、トランプ米大統領の国際緊急経済権限法(IEEPA)関税に関する判決です。最高裁の判断はいつ下されてもおかしくない状態であり、その最終決定において関税が違憲となり、返還請求への扉が開かれる可能性があります。
この関税収入の喪失は対GDP比1%の財政赤字拡大につながることから、米財政が再び疑問視される状況を回避すべく、他の関税が導入されることが広く予想されています。
導入され得る新関税を検討する際、米政権が活用可能な選択肢は3つあるとみています。まず、国家安全保障に関する301条関税です。これは事案の準備が必要ですが、中国に対する既存事案があるため、迅速に引き上げ可能な関税です。米国は、EUのデジタル・サービス税に対する301条関税の準備を既に完了しているとされており、これにも注目する必要があるでしょう。
次に、232条の業種別関税は、既に実施済みの関税と併用可能です。ただし、232条関税の問題点は、150日後に議会での投票が必要となる点で、トランプ氏はこれを避けたいであろうとみられます。
最後に、122条関税は、対米経常黒字が大きい国を対象とすることが出来ます。しかし、これらの措置の帰結を考えると、国家及び業種別の関税枠組みが現在の姿と大きく異なる可能性があります。これにより、不確実性とボラティリティが生じるだけでなく、グローバルな勝者・敗者の新たなリストが作り出されることになるかも知れません。
トランプ氏が最高裁による不利な判断に直面した場合の、同氏の行動についても考察する価値があるでしょう。年初来、同氏は左派や右派、中道問わず、反対勢力に猛攻を仕掛けています。
トランプ氏は、自身の意思が貫徹出来るとの確信を深めているように見受けられます。懸念されるのは、「Fast and Furious」モードの大統領が、昨年4月と同様に、金融市場においてより重大な混乱を引き起こす可能性があることです。
ただし、短期的にはこうした懸念はかなり抑制されているようです。2025年を通じて、多くのトランプ懐疑派や否定派がその矛を収めることを余儀なくされました。2026年も金融市場の全体的な環境は概ね建設的に始まったように見受けられますが、果たしてそれがいつまで続くのでしょうか。
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